フロアコーティングの種類と性能
フロアコーティングは現在、UV、ガラス、シリコン、水性と種類が豊富になってきました。
それぞれ価格、見た目、機能、耐用年数が違うため、自分のライフスタイルにあっていないフロアコーティングを選ばないよういくつかポイントをご説明いたします。
価格
水性コーティングは安価。但し耐用年数が短い為、3年おきにコーティングをすると逆に高くなる。
ガラス、シリコンはイニシャルコストが高いが、20年30年後でかかるトータル費用で考えれば費用対効果は高い
見た目
シリコン、UV、水性は艶あり、ガラスはなし。
最近はUVでも艶なしの商品も出てきているが、従来のUVより耐用年数、滑り止め効果の機能がうすれている。
木の温かさを出したいならマットな仕上がり
機能
滑り止め、掃除が楽、キズが付きにくい
滑り止めはシリコン、UV
掃除が楽、水性コーティングは水拭きでコーティングが溶けてしまうため、効果なし。
水性コーティング以外は水拭きアルコール拭きが可能
更にUVコーティングは塩素系の薬剤にも対応
耐用年数
水性2~5年※但しフローリングを水拭きアルコール拭きでお手入れすると、1年でコーティングがなくなってしまう。
シリコン20年 ガラス20~35年 UV20~30年
業者選び
近年ではハウスクリーニング業界、カーテン業界、オプション業界からの参入があります。
作業自体が、掃除 → 下処理 → コーティングの塗布と一見誰でも出来る工程の為、他業界からの参入が容易に思われています。
その為、誠に残念なことにコーティングをして失敗してしまったというコメントを口コミサイトなどで見かけます。
作業自体は簡単に見えますが、掃除に手を抜けば仕上がり時には混入物が入りますし、フローリングに合った下処理を行わなければ施工後の密着不慮がおこります。
仕上げのコーティングの塗布は部屋全体を一定量で均一に塗る技術が無ければ所々ムラが出てしまいます。
見極めのポイントとして施工実績(創業年数、年間施工件数)、施工員の待遇(正社員、アルバイト、外注、フランチャイズ、施工代理店)、技術指導(工程のマニュアル化、現場長として任せる判断基準があるか、下積み年数はどのくらいか)などを御確認ください。価格が安いからという理由で業者を選ぶと安いなりの理由があるはずです。
内覧会で確認すること
新築で住宅を購入したとき、注文住宅、建売住宅、新築マンションであれば、内覧会があります。
内覧会の段階で完璧な状態になっているかといえば、意外と傷や過失が見つかる事があります。住み始めてから欠陥に気づいても後の祭りです。入居後に付いた傷か判別が出来なくなります。
万全の状態で引渡しを受ける為にも内覧会で隅々までチェックしましょう。
○内覧会の持ち物
図面 懐中電灯 水平器 マスキングテープ ウエットティッシュメジャー 筆記用具
○内覧会での対応
気になる箇所があったら、遠慮せずハウスメーカーの担当者に手直しをしてもらいましょう。当日話し合った内容に漏れが無いように全て書面で残しておくことが重要です。手直しは基本、補修となりますが、補修跡が目立つ場合は再度補修か、交換をお願いしましょう。
○当日の確認事項
・契約時の図面と相違がないか
・ドアや開く方向や収納、壁、窓、コンセントの位置や大きさに相違がないか
・床、階段、壁、建具は水平・垂直になっているか
・全体を歩いて床のきしみ、出っ張りはないか
・床、壁、建具に汚れ、傷、継ぎ目がないか
・ドア、窓、収納など開閉はスムーズか
・水廻りの水圧は弱くないか
・水廻り下の配管で水漏れをしていないか
・床下に水跡がないか
・屋根裏に断熱材がしっかり入っているか
・外壁や基礎の表面にひび割れや欠損がないか
そもそもフロアコーティングは必要?
フロアコーティングは必ずやらなければいけないという物では御座いません。無垢のフローリングの場合は、年数が経過することによって、木独特の雰囲気が出てきますが、艶のでるフロアコーティングをかけると木独特の味を打ち消してしまいます。
最近主流のシートフローリング(MDF(段ボールのような素材)の上に木目がプリントされたオレフィンシートを張ったフローリング)はオレフィンシートに特殊加工がされていて水を弾き、汚れが付きにくくなっております。
但し、シートフローリングは下の写真のようにオレフィンシート自体が薄い為、シートが傷つくとフローリングを水拭きやアルコール拭きで掃除した時に下のMDFに水分が入り込んでしまいます。表面は特殊加工されていてワックスと同じ機能をもっているため、ワックスフリーと呼ばれていますが、加工されていない下地のMDFは水を吸い込みやすい素材の為、フロアコーティングをすることによって薄いシートを保護して下地のMDFに水分が入らないようにする役割があります。
フローリングは毎日生活する中で、傷が付き、日焼けもし、徐々に傷んでいきます。
傷んだフローリングは張り替えればよいと思えばフロアコーティングをかける必要はありませんが、張り替える時は荷物の移動、部屋に入れない、貼り替え費用が高額といった問題点もありますので、長期的な視野でご検討下さい。